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貸主倒産と仲介業者
 

 

判例詳細

貸主の倒産と媒介業者の責任  兵庫県宅建業者の講習より 99/02/22 
      講師 弁護士 佐久間 豊 氏 アルカイックホールにて

[事例〕

 業者の媒介により店舗を賃借し、営業していたが、貸主が倒産し、店舗のあるビルが競売になり借主が競落人から立退きを余義なくされた。内装工事の費用・返還されない保証金などの損害賠償を媒介業者に求める。

 

[媒介業者が損害賠償責任を負う場合〕

 賃貸物件になされている差押登記・抵当権登記は「登記された権利」として重要事項の説明(業法35条1項1号)

 @ 賃貸借契約締結時に既に競売や滞納処分による差押登記等がなされているにもかかわらず、このことを調査説明しなかった場合。

 A 賃貸借契約締結時に、物件に多額の抵当権登記がなされていて、かつ近い将来抵当権が実行されることが予見できるにもかかわらず、このことを調査説明しなかった場合。

「具体例」東京地裁4年4月16日判決

 賃借人に対し、差押登記のある店舗の賃貸借を媒介した業者(客付け)に対し、貸主側(元付け)の業者の作成した重要事項説明書を信用して、登記簿謄本を調査しなかったのは調査義務違反として、その後の競売による売却によって店舗を明け渡さざるを得なかった賃借人に対する損害賠償責任を認めた(明渡しまで2年余使用していたので、内装工事費用、食器・厨房用品等の購入代金の70%の約390万円を認めた)。なお、媒介業者は、賃借人から媒介手数料として7万円を受領していた。

 

[防止策〕

@ 賃貸借の媒介でも、物件の登記簿謄本を取り寄せて、差押・仮差押・仮処分などの登記の有無を確認する。

A 抵当権が設定されている場合には、将来貸主が倒産した場合に競売が実行される可能性があるので、重要事項説明書で設定されている抵当権を記載しておく。

B 多額の抵当権登記がなされていて、抵当権実行の可能性が予想される場合には、賃借人に危険性を説明する。

※賃借物件に設定されている抵当権が実行された場合→別紙参照

 

[賃借人側の媒介の場合の最善策〕

@ 賃貸借期間を3年以内にする

A 賃貸借契約書に、次のような条項を入れる。

第○条 賃借物件に差押・仮差押・仮処分等がなされたとき又は貸主が破産宣告・会社更生等の決定を受けたときは、前条までの定めにもかかわらず次のとおりとする。

  1.貸主は、保証金(敷金)を直ちに借主に返還する。

  2.借主は、家賃の支払義務と保証金(敷金)の返還請求権とを相殺することができる。

 

B 保証金(敷金)のための担保設定や貸主に連帯保証人を付けさせる。

 

※ 抵当権設定後に、賃貸借が開始された場合、賃貸借開始後に貸主が賃料債権を譲渡しても、後に抵当権者が賃料を差押えた時は、以後借主は賃料を抵当権者に支払わなければならない(最高裁平成10年1月30日判決)。

 

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