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最高裁判決要旨
 

 

以下、弊社顧問弁護士に回答を頂いた分をそのまま掲載致します。

 敷引の件
Q 本日、(H10/9/4)新聞で、地震の建物滅失=敷金全額返金の判決を見ましたが、
一部の家主様は、敷金から、敷引を引いて返却しています。その、借主は、
いまから全額返金の訴訟を起せるのでしょうか。

A 和解契約という形式で処理している、または元々の賃貸借契約書に
明記している、というような場合は別ですが、そうでない限り、原則とし
ては、敷引分の返還請求をされれば返さねばならないことになるでしょう。


以下最高裁判所のホームページより転載です。

判例 平成九年(オ)第一四四六号

             平成一〇年九月三日第一小法廷判決


要旨:阪神・淡路大震災のような災害により賃借家屋が滅失し、居住用
家屋の賃貸借契約が終了したときは、特段の事情がない限り、賃貸人は賃
借人に「敷引金」を返還すべきである。
主文 原判決を破棄する。
     被上告人の控訴を棄却する。
     控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
理由

 

上告理由について

 居住用の家屋の賃貸借における敷金につき、賃貸借契約終了時にそ

のうちの一定金額又は一定割合の金員(以下「敷引金」という。)を返

還しない旨のいわゆる敷引特約がされた場合において、災害により賃借

家屋が滅失し、賃貸借契約が終了したときは、特段の事情がない限り、

敷引特約を適用することはできず、賃貸人は賃借人に対し敷引金を返還

すべきものと解するのが相当である。  けだし、敷引金は個々の契約ごと

に様々な性質を有するものであるが、いわゆる礼金として合意された場

合のように当事者間に明確な合意が存する場合は別として、一般に、賃

貸借契約が火災、震災、風水害その他の災害により当事者が予期してい

ない時期に終了した場合についてまで敷引金を返還しないとの合意が成

立していたと解することはできないから、他に敷引金の不返還を相当と

するに足りる特段の事情がない限り、これを賃借人に返還すべきもので

あるからである。

 これを本件について見ると、原審の適法に確定した事実関係によ

れば、本件賃貸借契約においては、阪神・淡路大震災のような災害に

よって契約が終了した場合であっても敷引金を返還しないことが明確

に合意されているということはできず、その他敷引金の不返還を相当

とするに足りる特段の事情も認められない。したがって、被上告人は

敷引特約を適用することはできず、上告人は、被上告人に対し、敷引

金の返還を求めることができるものというべきである。

 そうすると、右と異なる原審の判断には、法令の解釈適用を誤った

違法があり、この違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかであ

る。論旨は右の趣旨をいうものとして理由があり、原判決は破棄を免れ

ない。そして、以上に説示したところによれば、上告人の本訴請求は理

由があり、第一審判決は正当であるから、被上告人の控訴を棄却するこ

ととする。

 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 井嶋一友 裁判官 小野幹雄 裁判官 遠藤光男

 裁判官 藤井正雄 裁判官 大出峻郎)。  


最高裁判所のホームページへリンク

補足、弊社管理物件では、地震で住めなくなった賃貸物件は、見舞金の意味も込めて、すべて敷金全額を返していましたが、管理外物件で、一部敷引を差し引いて残金しか返さない貸主が下りましたので、この判決をつけて調停をしましたとこと、1回で残金が全額返りました。その不動産は売却しておりましたので、貸主は余裕で返せた様です。

 

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