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読者からの相談5  Mさん 小額訴訟=和解の例

以下、Mさんからの喜びのメールです。小額訴訟での、裁判の和解までいかれました。
Mさん曰く、勝訴に限りなく近い和解 とのことです。
小額訴訟で、9月10日に1回きりの決着でした。
場所は、京都です。よって、毎年の更新料が12万円と高額です。
話し合いでの1万円の譲歩は、余裕のご愛嬌でしょう。

以下Mさんのメールより 一部要約しています。
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私は、平成8年3月から11年3月まで、約3年間、京都市にあるワンルーム
マンションを借りていました。礼金15万円、敷金10万円、家賃が四万二千
円で1年契約で更新料が12万円でした。

11年3月25日に部屋を明け渡す際に、大家さんは1つ1つ修復箇所を指摘
するということはなく、部屋全体を見回して、「(敷金の)10万円では足りな
いかもしれない」といい、立会人の不動産の人は「原状回復が原則ですか
ら。」と繰り返し、ちょっと腑に落ちない状態で部屋を明け渡しました。

同年4月30日に、私の実家宛に大家さんから封書が届き、「部屋の全改装を
したから、敷金の10万円では足りない。1万5500円を払ってほしい。」
との手紙と請求書が入っていました。そこで、大家さんに電話で確認したとこ
ろ、「原状回復とは入居時と同じ状態に戻すことである。それに基づいて部屋
の改装をした。当然その負担は借主にある。」との説明でした。私が、「原状
回復とは通常使用を超えた損耗に対して適用されるものである。通常使用内の
損耗に対しては既に家賃を払っている。」と説明しましたが、全く聞き入れて
もらえませんでした。後に仲介の不動産会社にも電話してみたのですが、どう
も、大家さんと同様の見解のようです。

そこで、電話では埒があかないと判断し、内容証明郵便を大家さん宛に送りま
した。トマトホームさんによれば、これで大抵、向こう側が折れてくるとの話
でしたが、返事に書かれていた見解は全く変わっていませんでした。

結局、最終手段として簡易裁判ということになりました。9月10日に判決が
出る予定です。私としては、敷金返還もさることながら、法律どおりに原状回
復の意味を理解していただいて、それに基づいて賃貸マンション経営をしてい
ただきたいということを訴えたいと考えています。

何か、アドバイス、気づいた点等などございましたら、ご返事いただければ幸
いです。

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(>のしるしは、トマトホームからの発言を示す))

>相談は一向に構いません。特に事例を細かく書いて頂くと
>こちらも参考になります。


ありがとうございます。今回、家主や仲介業者とコンタクトを取ってみると、
両者とも本気で「原状回復とは入居時の状態に戻すこと」と考えているような
のです。「法律と現実とは違う。」ような発言もあり、こんな認識で賃貸業を
していたのかと唖然としました。

>さて、M様の例では、更新料が12万円とは、すごいですね。
>契約時に納得されていましたのでしょうか。一般的に1ヶ月分と聞きますが。
>礼金も15万円となっており家賃からみてかなり割高な印象を受けますが


私の場合、通っていた大学の正門近くに支店をもち、他に京都市内に複数店舗を
構える仲介業者を通して契約をしたのですが、そこのパンフレットに載ってい
る物件は大体それくらいの相場でした。ですから、特段高いという印象は受け
ませんでした。しかし、この4月より千葉県柏市にやってきて、家賃6万8千
円の部屋を契約したのですが、礼金1ヶ月、敷金2ヶ月、2年契約の更新料が
1ヶ月というのを知り、京都の(或いは、私の見ていたところの)相場はかなり
高いんだなあというのを実感しました。

>争点は、特約がキチンとなされているかになるかと思われます。

特約についてはいくつか項目があるのですが、関係あると思われるのは1項目
だけで、1年目と2年目の契約書には

「退室後の清掃費及び補修費を敷金より実費差引くものとする。」

3年目の契約書には、
「退室後の清掃費及び原状回復に要する補修費等は敷金より実費差引くものと
する。」

と書いてあります。西岡様はどのように思われますでしょうか?私としては、
もし、この項目があるからという理由で、いかなる清掃や補修の負担を賃借人
に負わせることが許されるのならば、家主のやりたい放題になってしまうよう
に思うのですが。

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>具体性がなく、裁判になるとかなり弱い記述と思われます。
>建設省、日管協とかの考え方は、基本的には6年で、原状回復費用は、
>借主負担はなし。3年間の入居ですと、1/2の借主負担となります。
>これは、借主が入るとき、すべてクロス等を張り替えていた場合です。
>清掃費は、貸主負担が原則です。
>これに高額の礼金、更新料が、考慮されます。
>しかも、3年目で、勝手に変更している訳です。
>たったこれだけの特約では、ものたらんと思いますよ
>裁判所は。

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>それにしても上記礼金では、状況として、貸主は、かなり不利なはずです。

そうですか。自信を持って裁判に臨みたいと思います。

>請求は、敷金全額返金でしょうね。

はい。10万円の返還請求訴訟となっています。

>良い結果を祈ります。

ありがとうございます。また、何か動きがありましたら報告させていただきます。


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こんにちは。Mです。9/10に京都簡易裁判所に出かけて来ました。
結果から言いますと,敷金の10万円のうち,9万円の返還,裁判費用は
双方の自己負担という内容の和解となりました。

私としては,勝訴に限りなく近い和解です。

少額裁判は,円卓テーブルを囲うように,裁判官,書記官,司法委員,原告(私),
被告(大家さん),及びそれぞれの証人が座って始まりました。私の証人は父親と
友人,大家さんの証人は部屋を明け渡す時の立会人(仲介業者の社員)の方でした。
司法委員は民間の意見を取り入れようということで,今回の場合は,弁護士の方が
来られていました。最初,書記官から
「譲るべきは譲って,なるべく和解するように」
と言われて,少々緊張して,裁判に臨みました。

実際に裁判は,まず,裁判官が大家さんに敷金,礼金,家賃,更新料を聞くことから
始まり,部屋の改装についての質問に移りました。ハウスクリーニングが2万円とい
う説明があったときに,裁判官は「他のところは11,000円くらいが相場ですが,少々高
いですね。」とのコメントがありました。その後,部屋の改装について説明することに
始まって,大家さんの主張が10分程度続きました。大家さんの主張はこれまで私と
やり取りした内容とほぼ同じで,

「原状回復とはまっさらにすることだ」
「その方針で,ここ9年賃貸マンションを経営しているが,今回のようなケースは
初めてだ。」
「建設省のガイドラインができて,原状回復の意味が変わったようだが,この
契約はそのガイドラインができる前からの契約であるから,ガイドラインの原状
回復は無効。」

との主張でした。

大家さんの主張を一通り聞いた後で,
裁判官から即座に「私は,(敷金の)10万円
返した方がいいと思いますよ。」との言葉が出ました。

そして,裁判官は原状回復の考え方,自然損耗は家賃に含まれること等を大家さんに
説明してくれました。
そして,私が千葉からわざわざ京都にやってきて裁判を起こしていることを
加味して,あらためて敷金全額を返すよう促してくれました。

ここまで,私はほとんど口を開いていません。その中で,敷金全額返還を促す
発言が出た時は嬉しさと同時に驚きもありました。また,私が大家さんに対して
言いたいこと(原状回復の意味や家賃の位置付け)は全て裁判官が代弁してくれ
ました。

裁判官の話が一段落ついて,大家さんが渋っているところで,司法委員が話に
入ってきました。原状回復については,裁判官の言う通りである。ただ,
特約事項のところに,「退室後の清掃費及び原状回復に要する補修費等は敷金より
実費差引くものとする。」とあるので,ハウスクリーニングの半分を原告負担として
9万円の支払いで和解してはどうかというものでした。

これに対し,裁判官は「原告はどうですか?」と初めて私に話を振ってきました。
私としては,原状回復について,ほぼ完璧に裁判官から説明していただいたし,
10万円返すべきだとの見解もいただいていたので,この1万円に特にこだわりは
なく,すぐにこの和解案に納得できました。大家さんの方も,最初に10万円返しては
どうかと言われ,これ以上抵抗しても無理だと判断したようで,これで決着しまし
た。

すぐに和解書が作成されて,原告,被告双方が印鑑を押して,決着です。大家さんは
「これからは家賃を上げなきゃいけないな。もう一つ建てるし,こんなことに時間を
かけるのは無駄,無駄。」とぼやいて足早に部屋を後にしました。もう一つ新しい
マンションを建てるにしても,今後は原状回復について,ちゃんと正しい認識でやっ
てくれるんでしょうかね。

私の方は,書記官から事務所に呼ばれて,余った郵便代980円を返還していただき
ました。建物を後にする際に,入り口のところで書記官が煙草を吸ってくつろいで
いたので,
「いい和解案で決着していただいて,ありがとうございました。」
と挨拶したところ,
「(大家さんが)家賃上げるって言ってましたねぇ。でも,自分で疑問に思ったことを
そのままにせず,訴えて良かったですね。」

と言っていただきました。
それまでは,裁判の公正を規すためか,非常に冷たい感じのした書記官でしたが,
とても暖かく見守っていただいていたということがわかり,本当に感謝の気持ちで
いっぱいになりました。最後にあらためて3人で
「本当にありがとうございました。」
とお礼を言って京都簡易裁判所を後にしました。

おかげさまで,敷金の大半が帰ってくることになりました。
その中で,トマトホームさんのホームページもとても参考に
なり,またいろいろ勉強させてもらいました。また,電子
メールのコメントはとても心強いものでした。本当に
ありがとうございました。
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判例  更新料否定の判例が出ました= 毎日放送NEWS May/18/2004

                       更新料判決、ウェブに掲載されました。

                       敷金問題研究会からのコメント

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